"14"の小話ブログ

就職を控えた男・"14"による小話ブログ

小学4年生の時、無賃乗車して異国の地で迷子になった話 (後編)

kousatublo.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 ◇気付いたら時刻が...

 

またその時、駅ホームに設置してある時計に目をやると、学校の始業開始の時刻を20分ほど過ぎていたのである.....

 

 

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やべええ完全に遅刻だ。先生に絶対怒られる。

大幅な遅刻なので、担任の先生にどれだけ怒られるのか考えるだけでゲンナリしていた。

 

 ◇母親にTEL 学校と両親の間では大事になっていた

他にもやることはあった。親への連絡である。

子供ながら、親に一報入れといた方が良いということは理解していた。

ドイツ人のおばさんに携帯電話を貸してもらい、暗記していた母親の電話番号を入力し、電話した。

 

少年"就職を控えた男"

『あーもしもしオレだけど。』

 

母親

『〇〇!これから探しに行くところだったよ!あんた今どこにいるの!?』

 

親には、学校から自分が来てないとの連絡が入っていたようで、両親と学校は相当僕のことを心配していたらしい。誘拐等の事件に巻き込まれた可能性を危惧したのだ。

 

※後日談

ちなみに2個上の小学6年生だった姉は、僕の担任の先生から何か知らないか聞かれたものの

『私は無関係です!』

といつもトラブルばっかりの弟のことで呼び出され不満だったらしい(笑)

 

 ◇ー30分ほど遅刻して学校へー

 

ドイツの優しいおばさんはわざわざ反対方向である僕の日本人学校の最寄り駅まで同行してくれた。そして、少年だった僕の最大の不安材料だったボタンを押さないと開かない電車のドアをサラリと開けてくれた。

 

そして感謝を告げ、おばさんとはお別れをした。ありがとうございました!

普通に今でも感謝しています、本当にw

 

そして僕は5分ほどで到着するはずだった駅に、40分間ほどかけてようやく到着した。

 

ふあークッソ怒られんじゃんオレ!

 

僕は恐怖に怯えながらトボトボ学校に向かって歩いて行った。

すると、学校の少し手前に見覚えのある車が横に止まっていた。まさかの自分の親父だったw

とっくに会社に行く時間を過ぎていたが、僕のことを探していたのだ。

 

ここまで大事になっていたのか!とようやく実感し、親父とも別れを告げ校門をくぐった。すると、担任の先生と校長先生まで校舎の外で待ちかまえていたのだ。

 

 

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担任の先生

「〇〇(自分の名前)ー!」

 

遠くから、僕の名前を大声で叫んだ。

その上、校長先生までいるし、僕は相当な説教が待ち構えていると思った。

 

 

 ◇まさかの展開

 

しかし、ここからの展開は自分が予想していたものではなかった。

担任と校長先生のところまで、近づいたら

まさかの熱い抱擁をされるのであった。

 

担任の先生

『〇〇(自分の名前)!自力で良く迷子から帰ってこれたな!」

 

校長先生

『周囲の助けを借りて、自分から親に連絡いれるなんてスゴイ!』

 

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予想に反して担任と校長先生から浴びた言葉は、賞賛の嵐であった。

 

そして、そのまま無賃乗車したことは黙り、遅れて教室へ入って行ったのである。
 

 

 

 

 

 

   (終)